日本独特と言っていい投資法の一つに「株主優待投資」というものがあるように思います。自分の投資先の会社から、自社製品、商品カタログ、その他サービスなど配当金以外に贈り物をもらう感覚で一定の人気があります。
かくいう私もかつては株主優待品目的で、何種類もの株式を持っておりました。しかしながらあくまでほしい優待品にフォーカスしていたことから会社の経営環境や業績周りのことは二の次にしていました。結果、突然の優待廃止による株価下落などに見舞われ、あまり優待銘柄でいい思いをした覚えがありません。
今でも持っているのは、KDDIやオリックスのカタログ優待と、東急やJTの生活支出用品(券)くらいです。これらのうち、オリックスとJTは優待制度が無くなります。
私の場合は、2010年代に入ると早期リタイアに向けて追い込みをかけるべく、「ふるさと納税」に力を入れました。全盛期の頃は自治体のサービス合戦になって結構良いものを貰いました。また税金の勉強にもなりました。私自身にとっては、株主優待よりも遥かに有益なものに感じておりました。
しかし、リタイアしてしまうと収入が無くなり、ふるさと納税ができません(まあ、やってもいいんですが節税メリットが無く、単なる寄付になってしまう)。そんな時、ふと、優待品が定期的に届く株主優待を目標にした投資をしてみようかと思ったことがあります。
まあ、結果的には止めました。海外投資家からは不評ですし、それに伴って株主優待制度を廃止する企業も以前より多くなってきている印象です。最後まで気乗りしませんでしたね。
株主優待投資と言えば、元棋士の桐谷さんが有名ですね。大量の株主優待品を命がけで消費するユニークな生活が人気ですが、桐谷さんの場合、かけているお金も多額ですし、銘柄も数百に上っています。これって、単に長期の分散投資になっていますね。結果的に何銘柄か優待を廃止してもビクともし無さそうなポートフォリオです。
まあおまけの優待品があまりに豪勢で隠れがちですが、私から見れば、桐谷さんは企業研究も熱心ですし、長期分散投資をしている堅実な投資家だというイメージになります。株主優待投資家というのはマスメディア向けの愛称みたいなものでしょうか。