転職はした方が良いのか、転職するとしたら若い時の方が良いのか、時々聞かれることがあります。
私個人としては、人それぞれだよね、と口では言いつつ「迷うんだったら思い切って若いうちに転職を経験するのは悪くない」と考えています。
まず、その人が一つ乃至いくつかの職種のスペシャリストとして専門性を深めてやっていきたいのか、組織のマネージャーになって上位役職を目指していきたいのかによるでしょう。
前者であれば、たとえば財務や人事や法務のスペシャリストとして、複数の業界、会社を経験していき、やがて経営サポート全般ができる他に代えがたい人財になりえます。このために最初の会社で基礎経験を積んだらどんどん上級の仕事ができる道を選択すべきです。もちろん、最初の会社でそれができるのなら、転職する必要はないでしょう。
後者の組織内での出世を目指すケースでは、なるべく同じ会社にとどまって社内人脈を作る方に注力すべきかと思います。きわめてマネージャーとしての能力が高く、経営者として高額のヘッドハンティングを受ける場合もあると思いますが、まあ、ケースとしては多くないでしょう。
もちろん、実際に転職するとなると待遇や社風なども慎重に比較すべきではありますが、タイミングというものはそう多くは巡ってきそうにありません。ある程度「思い切り」も必要だと思います。
難しいのは、ずっと同じ会社に勤めていて部長や課長までにはなったものの役員にはなれそうにない場合です。多くは役職定年となりプレーヤーとしてとどまりますが、運よく取引先会社や関連会社で役員やマネージャーとしてポジションを貰える場合があります。
この場合、元の会社のやり方が骨の髄まで染みていて新しい会社ですんなり上手くいかないケースもあると聞きます。残留してもプライドが邪魔しそうです。
やはり30年前後勤めた会社を辞める時は、リタイアか独立が良いですね。人脈もそれなりにありそうです。と、全くの私見でございました。