会社に勤めている時は、いつも気難しい表情をしている人、何か言うと訳の分からない小言が返ってくるようなオーラを持つ人を見ると、協調性が無く周りと上手くいっていないんだろうなあ、と思っていました。
一方で一見怖そうな人でも実は優しかったり、口数が少なくてもマメに周囲のフォローをしているような人は、人望もあり出世していきました。
前者の場合、大抵は孤立しており、出世はおろか会議にも呼ばれなくなるケースも多々ありそうな気がします。
まあ、サラリーマンとしては「気の毒な人」という位置づけでしょう。
しかしそのような人が一転、リタイア生活に入るとどうなるのでしょうか。ますます孤独化が進み、拗らせぶりがもはや不可逆的な領域に突入していそうです。
だが、さにあらず。リタイア生活に入れば、まず人から話しかけられることは激減します。会社ではやむを得ず限られた人間とやり取りをする必要があったでしょうが、それもありません。周囲も、そして本人もストレスがみるみる無くなります。
まさにWin―Winの関係になります。特にめんどくさそうなオヤジだったのに、リタイア後は柔和な顔つきになっているケースが多々あります。
元来、めんどくさいオヤジというのは、周囲に人を寄せ付けないオーラが半端ありません。例えば、休日に銀座の歩行者天国に行けばかなりの数のTV局が通行人に取材を持ちかけてきますが、まずこういう人は話しかけられません。
余計な禍があちらから逃げていく、という意味でめんどくさいオヤジというのは、在職中は損することが多いかもですが、リタイア生活では一転、その特性が身を助けることになる可能性があります。