自分としては珍しいのですが、本の紹介をさせていただきます。リタイアした直後、図書館で見かけて一気に読んだものです。
江戸の定年後ー“ご隠居”に学ぶ現代人の知恵(光文社)中江克己著
というこれからリタイア生活を始めようとする自分にとって大いに励まされた本なのです。
あまり詳しくは書きませんが、江戸時代でも割と70代,80代まで長生きする人が多かったらしく、後進(主に自分の子かその配偶者)に家業を譲った後、「どう生きるのか」ということが大きなテーマだったようです。
今も昔も必要なのはやはり「経済力」。公的年金制度はありませんから、後継ぎなどと食料やお小遣いなど面倒を見てもらう約定を結んでいるケースが多かったようですね。いわば自作の私的年金でしょうか。
そうすると、今の我々が投資などをして一定の金額を確保してリタイア生活に突入するのと同じ感じなのかもしれません。私には、継がせるような家業なぞ無いサラリーマンでしたから、早期退職の退職金はいわば会社がくれた「隠居料」みたいなものでしょうか。
さて、安定した財力を持つ町人などは隠居後は、芝居や歌舞伎、相撲を見たり、日々のんびりと楽しく暮らしたようです。これ理想的ですね。
他にも歴史上有名な人の話も出てきます。隠居後に逆に新しい仕事に邁進する人もいて、今とおんなじだなあ、と感心してしまいました。伊能忠敬も50過ぎて測量を勉強して50代後半から全国を回ってあんな精巧な地図を作ってますもんね。ただ伊能忠敬は元商人で財力も相当なものだったらしいですが。
リタイア後の過ごし方は人それぞれなのは今も昔も変わりないですが、やはり財力というのは大きな前提条件ですね。