社員が逮捕された!! ~どう動くか?~

2022年7月10日日曜日

労働

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そうそうあるわけではありませんが、社員が逮捕されたとの連絡があると人事は大忙しです。休日に携帯電話が鳴ると、非常の連絡ということで、社員の事故、訃報、または逮捕情報だったりするので、緊張したものでした。

逮捕の場合、いろいろな対策が頭を巡ります。最悪の場合、テレビや新聞で報道されて会社名が露出することがあります。会社業務とは何の関係のないプライベートな事件でも社名が出ると、「あの会社の社員か!!」と世間では受け取られます。日本社会では良かれ悪かれ、帰属する会社名が常に付きまといますからね。まずは会社の契約している弁護士さんに連絡して何とか本人に接見できないか相談します。速やかに本人に事実確認をして、会社としても本人不在の間の人の手当や本人の社内処分を考えなくてはなりません。

犯罪の軽重にもよりますが、本人が否認していれば接見もなかなかできず、もどかしい日々です。逮捕されただけで、起訴されない場合もありますので、本人への会社の処分というものも軽々には出せません。

本人が罪状を認めている場合、本人への事実関係の確認も淡々と事務的に進みます。この時点では本人も会社を続けられるとは思っていない(他の人に合わせる顔が無い)ようで、釈放後は復帰してバリバリ働きます!と言ってきた人は見たことがありません。

あとは懲戒解雇は何とか避けてもらえないか、と懇願される場合があります。事件が完全プライベートでかつ凶悪ではない場合、会社としてもなかなか懲戒解雇にはしづらい場合がありますので、懲戒の手続きは取らず、双方合意の上で諭旨退職という社員が自発的に退職する形で収めることにします。基本的に全額でなくとも退職金が出ますので、被害額の弁済が必要な場合はこれを充当できますし、離職事由が懲戒解雇という不名誉なものになりませんので心を入れ替えて再就職するための障害にはなりません。ここまで配慮されるには、やはり周りから「過ちを償って再生してほしい」と思われる人なのか、「救いようがない」とあきれられるような人なのか、普段の勤務態度が重要だとも言えますね。

私の経験では、逮捕されるような事件を起こす人は意外なことに、いわゆる不良社員であることが少なく、普段は真面目な朴訥とした人が多かったです。
あまり具体的には言えませんが、金銭的に詰んでしまって窃盗や詐欺まがい、とか、好きになった異性に付きまといなどのストーカー行為などが多かったですかね。
私も被疑者の話を聞いているうちに内在している孤独感とか、つい同情してしまうこともありました。しかし、犯してしまった罪は償わなくてはなりません。私情を捨てて会社ルールに則り粛々と必要な手続きに没頭したものです。

リタイアした今でも、その後の彼ら彼女らが罪を償って人生をそれなりに前向きに進めているのか、時々気になって思い出すことがあります。

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2020年3月に52歳で30年勤めた会社を早期退職。 資金も目標に達したので日々呑気暮らしをしています。

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