頑張ること、やり抜くことを美徳にしすぎた日本

2022年8月3日水曜日

日常 労働

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日本という国は、明治期に「富国強兵、殖産興業」をスローガンに、ひたすら均一的な努力や忍耐を強いられてきました。これが学校教育から、地域社会、家族関係まで労働観、人生観として日本人に浸み込んでいきました。

幾たびかの戦争を経て第二次世界大戦に敗れたものの、この敗戦からの復興が逆に努力や忍耐を過度に美化し、日本人特有な価値観として揺るぎないものになってしまったのではないでしょうか。

現在でも学校では未だに軍隊顔負けの運動会予行演習が平然と行われていますし、勝利至上主義の部活動という名の虐待行為が跋扈しています。

労働市場においても、今や幻想にすぎない終身雇用制度での安定生活とやらを求め我慢し続ける労働者へのハラスメントが止みません。

努力や忍耐が、成功や安定をもたらす時代はとっくに終わっています。努力や忍耐を尊重するあまり、うんと楽をしようと人と異なった考え方をする人や独特の視点をもってアイディアを出すような人を排除してきたのではないでしょうか。

日本は低成長期に入ったのです。にもかかわらず、内向き志向で外国人も入ってこない上に少子高齢化が進んでいます。

このままでは少なくなった果実を薄く分け合い続けるしかなくなります。未だに努力や忍耐に傾注することは時間の無駄なのです。

スピードやイノベーション、多様性の尊重という価値観を持った若い人たちは、相当な数が海外に出ていっています。海外の方が能力が評価され、生きやすいことに気づいたのです。

この前、電車の中で中年の男女が、「自分たちの老後は、労働力が安いフィリピン人やインドネシア人の看護師さんや介護士さんに面倒見てもらうのか」という話をしていました。

私は心の中で「いやいや、頼んでも来てくれなくなるから。それどころか日本人が東南アジアに出稼ぎに行くことが普通になるから。」と嘆きました。もうすでに、安い円、安い労働力を見込んで中華系をはじめとした外国企業が、日本国内で日本人を使用しています。

このまま日本が地味に衰退していくのは嫌ですので、何とか旧来の価値観に縛られない若い人たちが活躍しやすい、世界中から優秀な人が集まる社会になってほしいと切に願っています。

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2020年3月に52歳で30年勤めた会社を早期退職。 資金も目標に達したので日々呑気暮らしをしています。

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