日本電産の永森氏やワタミの渡辺氏など、皆が良く知る創業者が、後継者選びに苦労していますね。
失敗といわれる後継者候補だった人たちも、もちろん優秀で創業者の期待に応えようと頑張ったことは想像に難くないでしょう。ただ、創業者が365日24時間会社のことを考えているようには、全てを捧げきる気には心のどこかでできていなかったのかもしれません。
創業者は、自分と同じような思考様式を後継者や部下に対して求めがちです。永森氏や渡辺氏は、かつて社員に対して「休むな、四六時中仕事をしろ」的なことを言い、批判されました。
その後、労基法は順守する旨、発言を修正しましたが、腹の底では自分の会社に入った以上、四六時中仕事のことを考えないほうが不思議である、というところは変わらないのではないでしょうか。
創業者の思いが強すぎることの是非はさておき、私が思うのは後継候補とされる社長などの役員ですら他人の考えに常に縛られることに限界があるのに、一般の労働者はもっと無理だろうということです。
はっきり言ってほとんどの一般の労働者にとっては、経営理念などどうでもよく、自身の賃金など処遇が最優先でしょう。四六時中会社のことを考えろ、って無理でしょう。
そう考えるとやはり長時間労働というのは確実に人の心をむしばみますね。経営者、特に創業者は平気でしょう。経営は労働ではありませんからね。
そういう意味ではホワイトカラーを時間外対象から外そうという「ホワイトカラーイグザンプション」というのは全く労働生産性の向上には寄与しないと思います。
時間外労働は規制すべきですが、一方で解雇制限は緩めるべきではないかと思っています。
まあ、この辺はまた別の機会で。