現役時代は、周囲に煙たがられ孤独で寂しい老後を送ったであろう昭和育ちのおじいさん。
亡くなってみると、「案外良いところもあった」「実は陰でこんな優しいことをしていた」などと遺徳をしのばれるケースが多いのです。
思い出が美化されている、ということもあるかもしれません。しかしながら、周囲の人よりも先に亡くなったがゆえに、現役時代のモラハラも何となく哀れみの気持ちとともに薄くなってしまうのかもしれません。
もちろん、暴力などに苦しんだご家族は生涯憎しみを捨てないのかもしれませんが。
で、昭和育ちのおばあさんです。
当初は、やっと手に入れた自由を満喫します。現役時代にやさしく接してもらった子供や孫も「おばあちゃん、やっと好きにできるね」と最初は協力的です。
しかしながら、人間慣れとは怖いものです。だんだんおばあさんも〇〇してもらって当たり前、自分がやりたいことは無理に通す、古い価値観の持論を頑固に曲げない、など周囲をイライラさせることも増えてきます。
現役時代にあれほど周囲に慕われた人も、あっという間に晩節を汚していくケースが何と多いことか。
これからは、男女雇用均等法以降の世代の方々が老人化してきますので、また全く新しい状況になりそうで、しばらく観察していきたいと思います。
一つ言えるのは、長生き必ずしも幸福ならず。長生きをするなら、金銭面に加えて愛され続けるキャラを作る必要がありそうです。