誰もが知る世界の自動車会社であるトヨタ。
日本企業でも有数の財務体質の強い、いわば代表的優良企業と言って良いと思いますが、そんなトヨタでも社長の豊田章男さんは常に危機感を忘れないようですね。
というか近い将来、トヨタは無くなる、というレベルの相当な危機感です。
若者の自動車離れが進んでいると言われて久しいのですが、問題はそんなスケールの小さい話ではないようです。
運転の自動化が進み、旧来の自動車会社以外の会社も幅広いモビリティ(移動性)分野に続々と参入するであろう未来。大トヨタと言えどもそこに胡坐をかいていては、機動力のある若い小さな会社に価格やサービスで負けてしまうと言われています。
超巨大化してしまったトヨタ及び関連のグループ社員と家族は、臨機応変な変化ができない。業績の良い今の内から将来を考え、自分たちの生き残りを必死に考えていくべく警鐘を鳴らし続けています。
これに対してトヨタの労組も問題をきちんと自分たちのこととして受け止め、真剣に勉強して経営側と意見交換していると聞きます。
こういった危機感を労使で共有している例は、日本の大企業でもそう多くはないのではないでしょうか。
日本の最大野党は、連合の会長が自民党の重鎮と会食しただけでキーキー言います。未だに労使を「階級闘争」とみているのでしょうね。
これを奇貨として自民党の懐に潜り込むくらいの策士がいても良いと思いますが。
まあ、トヨタの場合は「創業家」が脈々と経営の中枢にありますから、他の会社と違って権力闘争に余計な力を割かず、経営に全集中できるのが利点ですね。
でもこの危機感は日本の全産業が共有すべきです。日本における大企業の護送船団方式が本格的に終わりを告げつつあるのかもしれません。