やはりサラリーマン社会で役員クラスに出世する人というのは、常人とは違います。
頭の回転や、気配り、胆力など、オーラがあります。
よく、妬みなどで「あいつは要領だけでのし上がった」「ライバルを潰して自分だけ出世した」「単に役員に気に入られただけ」などと言われる人もいますが、それ自体がすでに誰にでもできることではないのです。
元々こういう人は若手の頃から目をつけられます。難易度の高い仕事を与えられ、成功すれば本社の中枢部署で経験と人脈を作り、早々に管理職につきます。それから先は運の要素もありますが、この過程でも相当な数のエリート原石は脱落してしまいます。
役員になるのは一握りだから仕方ありませんね。
特に最後まで出世競争をして敗れた人というのは否が応でも社内で目立ってしまうので、何やら憐れむやら妬まれるやら随分と居心地が悪くなってしまうようです。
体や精神を病んでしまう人もいますね。期待されてそれに応えようと、無理を重ねてしまう人。残念ですが、真面目でいわゆる「いい人」にこういう方は多いですね。
まあ、私の場合はこのようなオーラが若い時から無く、特段本社の中枢に呼ばれることもありませんでした。たまに本社のプロジェクトみたいなのに声がかかっても、断っていました。だって毎晩終電、たまに職場の椅子どころか床に防寒のための新聞紙を強いて寝るというのですから、多少給料が上がったとしても絶対に嫌でした。
まあ、声がかかればホイホイ行く人が多かったですから、まだ昭和の香り残る職場で私は異端児だったようです。
でもまあ、負け惜しみではないですが、おかげで現場の仕事には強くなりました。仕事のダイナミズムには欠けるかもしれませんが、中高年になっても現場を知っている人には以外にも社内外から求人があるものです。
私の場合は、投資の勉強をする時間もありましたから、特に求人情報に飛びつく必要も無く、金銭的に困らないであろうマネープランを立てることができております。
一番困るのは、早々にエリートコースに乗ってしまったものの、出世競争に負けて部長クラスで定年を迎える人でしょうか。無駄に給料も良いため、再就職はかなり難しいという話です。いや、働き口はあると思いますが、プライドを満たせるような仕事は果たしてどうでしょうか。
若い人は出世を望まない、という記事がありますが、彼ら彼女はとても賢く未来を見据えているのかもしれません。